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電池:600 Wh kg−1のリチウム電池向けにポリマー電解質の溶媒和を調整する

Nature 646, 8084 doi: 10.1038/s41586-025-09565-z

ポリマー電解質と、リチウム豊富なマンガン系の層状酸化物(LRMO)正極、負極フリーのセル設計の組み合わせは、高エネルギー密度で安全性の高いシステムとして最も有望なものの1つと考えられている。しかし、不安定な負極形態変化と電解質–正極界面での不可逆的な陰イオン性反応が、ポリマー電解質の酸素脱離と触媒的分解を誘起し、結果として重度の界面劣化とサイクル安定性低下が起こる。今回我々は、強く溶媒和するポリエーテルと、弱く溶媒和するフッ化炭化水素ペンダントからなる、組み込み型のフルオロポリエーテル系ポリマー電解質を設計することで、陰イオン豊富な溶媒和構造、ひいては正極表面と負極表面に陰イオン由来のフッ素豊富な界面層を形成して、界面問題に耐性を示すようにした。これにより、LRMO正極は酸素酸化還元可逆性の向上を示し、酸素が関与する界面副反応が大きく減少した。30 wt%のリン酸トリメチルを含んだこの疑似固体ポリマー電解質によって、パウチセルで可逆的な高面積容量サイクル(8 mAh cm−2以上)と、コインセルで長期安定性(25℃で500サイクル以上)を示すLRMO正極が可能になった。このパウチセルは、604 Wh kg−1(1027 Wh l−1)のエネルギー密度と、完全充電条件において釘貫通下で優れた安定性を示した。従って今回の研究は、高エネルギー密度で安全性の高い実用的なリチウム電池の作製に向けて有望な方向性をもたらす。

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