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細胞生物学:哺乳類細胞での脂質輸送の定量的画像化法

Nature 646, 8084 doi: 10.1038/s41586-025-09432-x

真核細胞では1000種を超える脂質が作られ、これらが細胞小器官の膜の性質を調整し、シグナル伝達を制御し、エネルギーを保存する働きをしている。しかし、脂質が細胞小器官の間で選択的に振り分けられ、膜の独自性が特異的に維持される仕組みは、細胞内の脂質輸送の画像化が難しいために、ほとんど解明されていない。今回我々は、二重機能性脂質プローブの時間分解蛍光画像化と超高分解能質量分析および数理モデル化とを組み合わせて用いて、哺乳類細胞での個々の脂質分子種の逆行輸送と代謝を測定した。細胞小器官間の脂質フラックスを定量化したところ、方向性を持った非小胞性の脂質輸送が、速い分子種選択的な脂質ソーティングを担っていることが明らかになった。これは、遅くて非特異的な小胞による膜輸送と対照的である。遺伝的摂動を用いることによって、エネルギー依存性の脂質フリッピングと非小胞性輸送の共役が、方向性を持った脂質輸送の機構であることが分かった。代謝変換速度と輸送速度の比較から、脂質の細胞小器官間の分布は主に非小胞性輸送によっており、その一方で分子種特異的なリン脂質代謝が中性脂質の蓄積を制御していることが明らかになった。これらの結果から、細胞内での脂質の逆行性フラックスに関する初めての定量的マップが得られた。細胞内の物理的および化学的空間にわたる脂質フラックスをマッピングするための我々の解析手法は、細胞生物学や疾患における脂質の働きの解明を促進するだろう。

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