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生物工学:改変酵母がミツバチにまれだが必須の花粉ステロールを供給する
Nature 646, 8084 doi: 10.1038/s41586-025-09431-y
ミツバチは作物の重要な花粉媒介者だが、農業の集約化と気候変動の結果として、花粉飢餓に直面することが多くなっている。開花不足の期間の頻発や高密度の仔育て条件はコロニーを弱体化させ、多くの場合でコロニーの消滅につながる。養蜂家はミツバチのコロニーに代用花粉を与えているが、これらの餌は花粉に見られる必須ステロール類を欠くため、仔(卵、幼虫、蛹)の生産を維持することができない。今回我々は、世界の食料安全保障に広範な影響を及ぼす、ミツバチの栄養における技術的進歩を報告する。我々はまず、ミツバチの組織に存在するステロール類の量と割合を測定した。次にこの情報を用い、油性酵母Yarrowia lipolyticaの1株で、ミツバチに必須のステロール類の混合物を産生するように遺伝的改変を行い、この酵母株を、ステロール以外は栄養的に完全な食餌に組み入れた。この食餌のみを与えたコロニーは、適切なステロール類を欠く食餌を与えたコロニーよりも仔育ての期間が有意に長かった。この方法を用いて代用花粉にステロール補助剤を組み入れることで、ミツバチのコロニーは花由来の花粉がなくても仔の生産が可能になる。この酵母株を用いて作り出された最適化食餌は、天然の花資源の利用を巡るミツバチ種間の競争を減らして、野生ミツバチ個体群の減少を食い止めることができる可能性もある。

