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微生物学:バクテロイデス門に広く存在する化学シグナル伝達経路の発見

Nature 646, 8084 doi: 10.1038/s41586-025-09418-9

細菌が分泌する生物活性分子の特性解析は大きく進展したが、それらの産生を制御する調節エレメントはまだ大部分が明らかにされていない。本論文で我々は、バクテロイデス門(Bacteroidota、以前はBacteroidetesと呼ばれていた)に特異的かつ広く見られる細胞密度依存的化学シグナル伝達系であるN-アシル-シクロリシン(ACL)系を特定し、その特性について調べ、この系は多様な分泌分子をコードする共局在オペロンの発現を調節することを示す。我々は、遺伝学的解析と生化学的解析を、重要な生合成酵素であるAclAの構造研究と組み合わせて用い、さまざまなACLの分子構造、およびL-リシンアシル化やATP依存的環化を含む、その完全な生合成経路を解明した。さらに我々は、分泌されたACLは、専用の転写因子であるAclRによって感知され、その結果、関連するオペロンの発現やACL生合成の自己誘導が起こることを見いだした。加えて我々は、バクテロイデス門の異なる系統は構造的に多様なACLを産生し、さまざまなリガンド特異性を持った転写因子をコードしていることを示す。また我々は、acl回路が、ヒトの腸や口腔のマイクロバイオーム試料中に広く分布し、転写されていることを見いだし、宿主に定着した条件下で関連オペロンを調節する能動的な役割を示す証拠を得た。さまざまな状況におけるACL系の機能を理解することで、バクテロイデス門の生物学、生態学、化学に関する詳細に加えて、この門の細菌がそれらの環境および宿主と相互作用する仕組みについての詳細が明らかになる可能性がある。

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