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がん:軸索損傷はグリオブラストーマ進展の標的化可能なドライバーである
Nature 646, 8084 doi: 10.1038/s41586-025-09411-2
グリオブラストーマ(膠芽腫、GBM)は悪性度が高く、治療抵抗性も高い脳腫瘍である。進行期のGBMについての研究は盛んに行われているが、GBM発生のもっと初期の、より治療しやすいと思われる段階の発生機序については、まだほとんど解明されていない。今回我々は、軸索損傷がGBM進展の主要なドライバーであり、軸索損傷は白質で優先的に増殖する初期の腫瘍細胞によって、この領域で誘導されることを示す。機構的には、軸索損傷はワーラー変性(標的化可能な軸索死の活性化プログラム)を引き起こすことでグリオーマ(神経膠腫)形成を促進し、これが神経炎症と腫瘍増殖を亢進させることが明らかになった。損傷に応答して活性化され、ワーラー変性を司る主要酵素であるSARM1の不活性化は、この腫瘍促進性のフィードフォワードループを断ち切るのに十分であり、マウスにおいては進行度の低い末期腫瘍の形成と生存期間の延長につながった。従って、腫瘍が誘導する損傷微小環境を標的とすることは、疾患の潜伏期から進行期への進展を抑制し得るため、GBMの阻止と制御のための有望な戦略となるだろう。

