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計量歴史学:フランスの1789年の「大恐怖」におけるうわさの伝播を疫学モデルで説明する

Nature 646, 8084 doi: 10.1038/s41586-025-09392-2

1789年にフランス農村部でうわさの伝播にあおられて生じた恐慌と不安の波「大恐怖(Great Fear)」は、フランス革命勃発の重要な瞬間であり、封建主義の崩壊と新体制の到来の起点となった。この大恐怖は、うわさの拡散が政治的変化を引き起こす上で担った役割を鮮明に示す例であり、これは今日にも当てはまる可能性がある。今回我々は、大恐怖に関連する既存の歴史的記録を収集し、疫学のツールとモデルを用いて、町から町への伝播のネットワークを再構築した。この方法で我々は、うわさの時空間的な拡散を定量化し、基本再生産数などの主要な疫学的パラメーターを算出した。我々は、18世紀フランスの道路網の構造に関する情報を用いて、大恐怖の拡散経路として最も可能性の高いものを推定し、拡散速度の分布を定量化した。再構築したネットワークのノードに、識字率、人口規模、政治参加、小麦価格、所得と所有権に関する法律、土地所有の不平等な分配など、当時の制度的、人口統計学的、社会経済学的条件に関連する指標を付加することで、大恐怖の拡散に関連する要因を算出した。我々の解析は、フランス革命に対する大恐怖の重要性についての未解決の歴史学方法論的問題に光を投じ、その拡散を説明する上で、感情と合理性が果たした役割に関する未解決の議論に定量的な解答を提供している。

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