Article
電池:固体電解質界面相におけるLiFの不均一性を探る
Nature 646, 8083 doi: 10.1038/s41586-025-09498-7
電解質と電極の界面は、数多くの化学過程や物理過程の基礎となっている。電池化学では、よく知られた固体電解質界面(SEI)の形成が、充電式リチウムイオン電池(LIB)の可逆的動作を確保するのに極めて重要な役割を果たす。しかし、結晶性が低く非常に敏感なSEIの正確な化学組成を評価することは、大変な難題である。今回我々は、広く調べられSEIの重要成分と考えられているフッ化リチウム(LiF)を例に取り、19F固体核磁気共鳴(NMR)を用いて、SEI中に形成されたLiF(LiFSEI)が、限られたLiF–LiH固溶体、すなわち、H豊富な相(LiH1−yFy)とF豊富な相(LiF1−xHx)からなる固溶体に起因する、有益な分光特徴を有することを明らかにする。これはさらに、6Li同位体NMR、シンクロトロンX線回折、極低温電子顕微鏡(クライオEM)法によって検証された。我々は、さまざまな電解質において形成されたSEIを評価することによって、高クーロン効率電解質ではLiH1−yFyが支配的であることを確認した。これは、LiF–LiH固溶体がLiFよりも高いイオン伝導率を示すという事実によって合理的に説明できる。我々は、概念実証として、リチウム金属電池においてLiF豊富なコーティング層と比較してLiH1−yFy豊富なコーティング層が明らかな利点を示すことを実証した。今回、SEI成分の不均一性の理解が見直されたことで、電極–電解質界面設計に新たな知見がもたらされると思われる。

