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分子生物学:核小体のrRNA前駆体の空間分布と機能的構造

Nature 646, 8083 doi: 10.1038/s41586-025-09412-1

多層構造を持つ核小体はリボソームが生合成される主要な部位であり、リボソームの小サブユニット(SSU)と大サブユニット(LSU)の前駆体が、ここで段階的に成熟していく。しかし、rRNA前駆体のプロセシングと核小体の部分構造の空間的機能的関係や、その関係が細胞の生理学的要求の変化にどのように適応するのか、また、その仕組みの解明はまだ不十分である。今回、我々が行った時空間解析によって、ヒト核小体で起こる区画特異的なリボソームサブユニットのプロセシングが明らかになった。SSUのプロセソームは繊維状中心(FC)領域–高密度繊維状成分(DFC)領域–末梢高密度繊維状成分(PDFC)領域に維持され、それに対してLSUのrRNA前駆体の大部分はPDFC–顆粒成分領域に移行した。ゆっくりと増殖する細胞では、5′外部転写スペーサー(5′ ETS)を中心とした予想外のSSUプロセシング障害が見られ、それに伴って、FC–DFCユニットの構造リモデリングとSSUの流出停滞が起こった。5′ ETSプロセシングを直接的に摂動すると、このようなFC–DFCユニットの変化が少なくとも部分的には再現されることから、SSUのプロセシングと核小体の構造との間の機能的な相互依存関係が裏付けられた。注目すべきことに、FC–DFC区画が一体化している無羊膜類の2区画性の核小体では、多層構造を持つ有羊膜類の核小体に比べると5′ ETSの分布がはっきり異なり、rRNA前駆体の流れが遅かった。2区画性の核小体にFC/DFC境界面を導入すると、プロセシングの効率が高まり、進化の過程で出現した入れ子になったFC–DFCユニットが、rRNA前駆体のプロセシングを最適化した可能性が示された。まとめると、rRNA前駆体の時空間分布を描くことで、5′ ETSを中心としたプロセシングが核小体の部分構造の維持に不可欠な役割を担っていることが判明し、有羊膜類で多層構造が持つ進化上の利点である可能性が示唆された。

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