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構造生物学:ヒト甘味受容体の構造と機能の特徴

Nature 645, 8081 doi: 10.1038/s41586-025-09302-6

甘味知覚は食餌の選択や健全な代謝に影響を与える。ヒトの甘味受容体はクラスC Gタンパク質共役受容体(GPCR)で、TAS1R2とTAS1R3からなるヘテロ二量体であり、天然の糖や人工甘味料、甘味タンパク質などの広範囲にわたる甘味化合物を知覚し、味覚を超えて代謝調節に影響を及ぼす。しかし、三次元構造が得られていないことがその正確な作用機構の理解を妨げている。今回我々は、完全長ヒト甘味受容体についてアポ状態とスクラロースが結合した状態のクライオ電子顕微鏡構造を示す。これらの構造から、明瞭な非対称ヘテロ二量体構造に加えて、スクラロースがTAS1R2のVenus flytrapドメインだけと結合していることが明らかになった。変異導入実験と分子動力学シミュレーションを組み合わせることで、TAS1R2での甘味料認識様式が詳しく説明された。さらに、構造の比較から、リガンドが結合した際のコンホメーション変化と独自の活性化機構が明らかになった。これらの知見により、クラスC GPCRファミリーに属する化学感覚受容体でのシグナル伝達機構が解明され、新世代甘味料を設計するための分子基盤が提供される。

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