集積光学:全スペクトル無線通信用の超広帯域オンチップフォトニクス
Nature 645, 8079 doi: 10.1038/s41586-025-09451-8
来たるべき第6世代(6G)や以降の世代(XG)の無線ネットワークは、マイクロ波やミリ波からテラヘルツ帯まで、広範囲にわたる周波数帯域で動作し、用途の多様なシナリオにおけるユビキタス接続性を支えられると想定されている。これには、全帯域カバレッジと動的なスペクトル管理を支持する、この広範囲のスペクトル内で適応的に再構成可能な汎用ハードウエアソリューションが必要になる。しかし、既存の電気的支援またはフォトニック支援ソリューションは、デバイス帯域幅の制限やシステムアーキテクチャーの本質的に柔軟性に欠く性質のために、この要求を満たす上で多くの課題に直面している。今回我々は、薄膜ニオブ酸リチウム(TFLN)フォトニック無線システムにより駆動される、100 GHzを超える前例のない周波数範囲にわたる適応的な無線通信を実証する。我々は、TFLNプラットフォームのポッケルス効果とスケーラビリティーを活用して、ベースバンド(基底帯域)変調、広帯域無線–フォトニック変換、再構成可能な搬送波、ローカルな信号生成を含む、必須の機能的要素のモノリシック集積を実現した。広帯域の調整可能な光電子発振器に駆動される今回の信号源は、高い周波数安定性と一貫したコヒーレンスを伴い、0.5〜115 GHzという記録的に広い周波数帯域にわたって動作する。我々は、この広帯域で再構成可能な集積フォトニックソリューションに基づいて、連続した9つの帯域にまたがるフルリンク無線通信を実現し、最高100 Gbpsという記録的なレーン速度を達成した。リアルタイムで再構成できる能力はさらに、適応的な周波数割り当てを可能にし、これは、複雑なスペクトル環境における信頼性向上を保証する本質的に重要な能力である。今回提案したシステムは、将来の全スペクトルのオムニシナリオ無線ネットワークに向けた大きな一歩である。

