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天文学:低温で低金属量の褐色矮星で検出されたケイ酸塩前駆物質のシラン

Nature 645, 8079 doi: 10.1038/s41586-025-09369-1

太陽から20 pc以内には、現時点で29個の低温の褐色矮星が存在することが知られている。これらの天体は、距離が計測されていて、有効温度は木星のもの(170 K)からおよそ500 Kの間と推定されている。これらの褐色矮星はほとんど全てが孤立しており、太陽系外で形成された巨大惑星の大気を詳細に研究するための最も近くにある実験室である。本論文で我々は、そうした天体の1つであるWISEA J153429.75-104303.3(W1534)のJWSTによる観測結果について報告する。W1534は、金属量が太陽の0.01倍未満の、銀河系ハローを構成する亜恒星質量星であることが確認された。そのスペクトルからは、メタン(CH4)、水(H2O)、シラン(SiH4)ガスの存在が明らかになった。SiH4は、巨大ガス惑星で雲を形成する元素であるSiの主要なリザーバーであると予想されているが、深部でのケイ酸塩の雲の形成により観測可能な大気から取り除かれるため、これまで未検出であった。これらの凝縮体はより高い金属量で優占的になり、これは木星や土星などのよく研究されている金属量の多い太陽系の天体でSiH4が未検出である理由の説明になる。我々は、金属量の少ない天体であるW1534に、およそ4.55 μmを中心とする、存在量が19 ± 2 ppbのSiH4の明確な特徴を検出した。我々の化学モデル化では、このSiH4の存在量が、ケイ酸塩の雲の層の直上の圧力がおよそキロバールの層で抑えられる可能性があることが示唆された。ここでは、鉛直方向の大気混合によって、SiH4が観測可能な光球へと輸送される。SiH4の形成と検出は、低温の褐色矮星や惑星大気の組成、雲の形成、大気混合の間の主要な連成関係を実証している。

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