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ウイルス学:FCoV-23スパイクドメイン0の喪失は細胞融合活性と侵入の速度論的性質を強化する
Nature 645, 8079 doi: 10.1038/s41586-025-09155-z
コロナウイルスが組換えを起こして種間の障壁を越える能力は、ヒトと動物の健康に世界的な影響を及ぼし、パンデミックをもたらす脅威となっている。FCoV-23は最近出現した病原性の高い組換えコロナウイルスであり、猫伝染性腹膜炎(FIP)のアウトブレイク(集団発生)の原因である。今回我々は、FCoV-23スパイクタンパク質の2つのアイソフォーム(臨床試料で観察されたドメイン0の宿主内での喪失に相当する)のクライオ電子顕微鏡構造を報告する。ドメイン0の喪失は、細胞融合活性と細胞への侵入の速度論的性質を著しく強化し、おそらくはそれに加えてバイオタイプの切り替えと致死性を可能にしている。FCoV-23は複数のアミノペプチダーゼNオルソログを受容体として使えることが分かり、ヒト受容体への結合を調整するグリカンを含め、受容体の種指向性を決定する分子決定因子が明らかになった。我々は、ヒトなどの哺乳動物種に感染するアルファコロナウイルス間での抗原の関係を明確にし、FCoV-23の侵入を阻害する交差反応性のアルファコロナウイルスモノクローナル抗体を明らかにした。我々の研究結果は、この高い病原性を持つウイルスを標的とするワクチンや治療薬の開発への道を開くものである。

