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材料科学:近接スクリーニングにより大幅に向上するグラフェンの電子的クオリティー

Nature 644, 8077 doi: 10.1038/s41586-025-09386-0

二次元系の電子的クオリティーは、量子輸送現象を研究する上で根本的に重要である。半導体ヘテロ構造では、数十年にわたる最適化により、輸送移動度と量子移動度がそれぞれ約108 cm2 V−1 s−1と106 cm2 V−1 s−1に達する、記録的なクオリティーの二次元気体が得られている。グラフェンデバイスのクオリティーも向上しているが、依然として比較的低い。今回我々は、グラフェンのごく近傍に1 nm離して配置されたグラファイトゲートを利用することによって、グラフェンの電子的クオリティーを飛躍的に向上させたことを報告する。その結果生じたスクリーニング効果により、電荷の不均一性は2桁減少して107 cm−2のオーダーにまで低下し、ポテンシャルゆらぎは1 mV未満に抑えられた。量子移動度は107 cm2 V−1 s−1に達して最高クオリティーの半導体ヘテロ構造の値を1桁上回り、輸送移動度はこれまでの記録値に匹敵する。このクオリティーにより、1 mTという低磁場でのシュブニコフ・ドハース振動と、5 mT未満の磁場での量子ホールプラトーが観測可能となった。近接スクリーニングにより、電子間相互作用は予測通りに抑制されるものの、分数量子ホール状態は依然観測可能であり、そのエネルギーギャップは非スクリーニングデバイスと比較して3分の1~5分の1しか減少しておらず、10 nm未満の空間スケールでの多体現象がロバストであることが実証された。今回の結果は、グラフェンや他の二次元系における電子的クオリティーを向上させる信頼性の高い道筋を提供するものであり、乱れのせいでこれまではっきりとは見えていなかった新たな物理現象の探求を促進するはずである。

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