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炎症:WSTFヌクレオファジーは急性炎症ではなく慢性炎症を調節する

Nature 644, 8077 doi: 10.1038/s41586-025-09234-1

急性炎症は、人体が感染と闘うために用いる不可欠な応答である。しかし、非感染条件下では、慢性炎症は、関節炎、がん、自己免疫疾患、代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)、大半の老化関連病態などの慢性疾患の発症や進行に中心的な役割を担っている可能性がある。急性炎症と慢性炎症を区別する根本的な機構はまだ明らかにされておらず、これらの主要な疾患に対する標準治療を開発する上で課題となっている。今回我々は、この2つの応答を分ける機構を見いだした。慢性炎症では、クロマチンリモデリングはヌクレオファジー(nucleophagy、別名nuclear autophagy)の影響を受け、ISWIクロマチンリモデリング複合体のWSTFタンパク質が、核内でATG8オートファジータンパク質ファミリーと相互作用するが、急性炎症ではこうしたことは起こらない。この相互作用によってWSTFは核外へ輸送され、その後、細胞質でオートファゴソームとリソソームによって分解される。WSTFを喪失させると、炎症性遺伝子領域のクロマチンがオープンな状態になり、炎症が増強された。WSTF–ATG8相互作用を阻害する細胞膜透過性ペプチドは、急性炎症には影響を与えなかったが、マウスモデルや患者試料では、老化に加えてMASHや骨関節炎でも慢性炎症を抑制した。急性炎症を弱めることなく慢性炎症を特異的に標的化できる能力は、ありふれた慢性炎症性疾患を治療するための手法をもたらす。

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