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気候変動生態学:ホッキョククジラの糞が北極海での藻類毒素の増加と海洋温暖化を結び付ける

Nature 644, 8077 doi: 10.1038/s41586-025-09230-5

過去20年にわたり、海洋温暖化と海氷の急速な喪失は、太平洋側北極海の環境を劇的に変化させてきた。海水温の上昇と開水域の拡大はいくつかの有毒な藻類種の生育により適しているため、これらの変化は、有害な藻類のブルーム(大増殖)の広がりと毒性を増大させると予想されている。藻類毒素はブルームの際に食物網を通じて伝達され、野生生物やヒトの健康に悪影響を及ぼし得ることがよく知られている。しかし、曝露リスクの増大を評価する、北極海の食物網における藻類毒素の存在に関する長期にわたる定量的な報告はない。本研究で我々は、19年間に生存目的の捕鯨で捕獲された205頭のホッキョククジラから収集された腸試料において、藻類毒素の定量を行った。その結果、この濾過摂食鯨類は、20年にわたる環境条件の変化と関連して、ボーフォート海における藻類毒素の存在についての統合的な食物網標本抽出生物として機能することが分かった。藻類毒素の広がりと濃度は、海洋熱フラックス、開水域の面積、風速、大気圧と有意に相関していた。これらの結果は、海洋条件の温暖化に起因する北極海の食物網での藻類毒素濃度の上昇を裏付ける、海洋的、大気的、生物学的な証拠を示している。今回の手法は、海洋温暖化と北極海の野生生物への藻類毒素曝露リスクの上昇の間に突破口となる機構的結び付きがあることを解明しており、こうした状況は5000年にわたって生存のために海洋資源に依存してきたアラスカ先住民コミュニティーの食料安全保障を脅かすものである。

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