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免疫学:母親の肥満によるクッパー細胞のプログラミングが脂肪肝疾患を誘引する
Nature 644, 8077 doi: 10.1038/s41586-025-09190-w
クッパー細胞(KC)は組織に常在するマクロファージで、胚発生の早い段階で肝臓に定着する。肝臓に定着すると、KCは組織特異的な転写シグネチャーを迅速に獲得し、肝臓の発生とともに成熟して、その機能に適応する。KCは発生期および成人期を通して、胎児の赤血球生成や出生後の赤血球の再利用、肝臓代謝を助けるといった、肝臓と生物体全体の恒常性維持に不可欠な独特の中核的機能を果たしている。しかし、発生期においてマクロファージの中核的機能が混乱すると、出生後の疾患に関わったり、そうした疾患の原因となったりするのかどうかは、ほとんど分かっていない。今回我々は、母親が肥満状態であるマウスモデルを用いて、妊娠中にKCの機能を摂動した。その結果、母親の肥満に曝露された仔は、KCの異常な発生プログラミングが成体になっても持続して、脂肪肝疾患を発症することが分かった。プログラムされたKCは、アポリポタンパク質の分泌を介して肝細胞による脂質取り込みを促進する。肥満の母マウスが産んだ新生仔マウスでKCを枯渇させ、その後、未感作単球を補充すると、脂肪肝疾患が回復した。さらに、妊娠中にマクロファージの低酸素誘導性因子α(HIF1α)をコードする遺伝子を遺伝的に除去したところ、酸化的リン酸化から解糖へ進むKCの代謝プログラミングが妨げられ、脂肪肝疾患の発生が防がれた。これらの結果から、発生時のKC機能の乱れが成体になってからの脂肪肝疾患の原因であることが確認され、健康や疾患の発生学的起源を考える場合には胎児由来のマクロファージが重要な世代間メッセンジャーであることが判明した。

