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神経回路:基底核の動的な出力信号は前肢の動作を許容しつつ抑止する
Nature 644, 8077 doi: 10.1038/s41586-025-09066-z
基底核は運動制御の基本部位で、その機能不全は運動障害につながる。霊長類の眼球運動系についての有力な研究では、動作は一般的に、持続的に発火している抑制性の基底核出力ニューロンが一時的に停止して、脳幹の運動中枢を抑制解除することに依存すると提唱されている。しかし、他の運動課題において、基底核出力ニューロンの発火が顕著に増すのが観測されていることから、基底核回路を介した動作制御で提唱されている機構には疑問が呈されている。今回我々は、マウス黒質網様部(SNr)内の基底核出力ニューロンが、複雑な前肢の動作を、発火活動の極めてきめ細やか、かつ動的な変化を伴って表現し、集団活動レベルでの課題実行をタイリングしていることを示す。個々のSNrニューロンは、動作特異的な発火の休止と発火の増加の両方を示し、それぞれが精密な別個の前肢動作と協調して起きていた。光遺伝学的な操作を、基底核出力ニューロンと脳幹シナプス後ニューロンの同時記録とを組み合わせたところ、この動的な発火率変化が、下流の標的を介した動作の解放と抑止に機能的役割を持つことが明らかになった。まとめると今回の結果は、基底核出力回路における極めて特異的かつ時間的に精密な動作表現の存在と機能を実証している。我々は、基底核出力ニューロンが動的に発火することで、下流の回路に対し運動プログラムの解放と抑止のためのきめ細やかで両方向的な動作特異的信号を送っている、というモデルを提案する。

