Article
材料科学:バルク六方晶ダイヤモンドの合成
Nature 644, 8076 doi: 10.1038/s41586-025-09343-x
六方晶ダイヤモンド(HD)は、既知の立方晶ダイヤモンドよりも優れた物理的特性を持つと予想され、60年前にその存在が予測されて以来、絶えず追い求められてきた。しかし、天然HDや合成HDは、他のナノカーボン構造の脆い異種混合物中に高度に乱れた成分として維持されてきただけであり、こうした状態では、バルク特性の決定やHDの真の結晶相を特定することは困難であった。今回我々は、高品質なグラファイト単結晶を、制御された準静水圧条件下で圧縮・加熱することで、バルクHDの合成、回収、詳細な特性評価を行ったことを報告する。我々は、100 μmサイズからミリメートルサイズの、高度に秩序化したバルクHDの合成という成果を実証する。そして我々は、グラファイトの(1010)方位からHDの(0002)方位への直接変換と、グラファイトの(0002)方位からHDの(1010)方位への直接変換を観測した。このバルク試料は、100 nmサイズの結晶が緊密に接合した三連晶からなり、これは主にHDであって、立方晶ダイヤモンドの微量欠陥を含んでいる。HD内の層間結合は、層内結合に比べて短く、これがHD構造を最適化している。注目すべきことに、HDの硬度は立方晶ダイヤモンドよりもわずかに高いだけであった。前駆体グラファイト炭素の精製と、高い圧力–温度(P–T)合成条件の微調整によって、さらに高品質のHDが得られる可能性があると予想される。

