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微生物学:ニッケル制限下での水素資化性メタン生成菌における電子の流れ
Nature 644, 8076 doi: 10.1038/s41586-025-09229-y
メタン生成アーキアは、強力な温室効果ガスであるメタンの主要な生産者である。実験室条件で調べられたCO2とH2からのメタン生成経路では、CO2を還元するための低電位電子は、ヘテロジスルフィド還元酵素(Hdr)と、関連する[NiFe]ヒドロゲナーゼ(Mvh)によって形成される複合体が触媒するフラビン型電子分岐反応によって生成される。F420還元[NiFe]ヒドロゲナーゼ(Frh)は、電子伝達体であるF420を介してメタン生成経路に電子を供与する。今回我々は、ニッケルが厳しく制限された条件下(自然の生息環境でもよく見られるのと同等のニッケル濃度)では、Methanothermobacter marburgensisにおける両方の[NiFe]ヒドロゲナーゼの産生が強力に下方調節されることを報告する。この条件でのFrh反応は、[Fe]ヒドロゲナーゼ(Hmd)との共役反応に置き換えられ、Mvhの役割はF420依存的な電子供与タンパク質(Elp)が引き継ぐ。従って、Hmdが、このようなニッケル制限条件下での還元的代謝に全ての電子を供与する。Elp–Hdr複合体の生化学的および構造的な特性解析によって、ElpとHdrの間の電子的相互作用が確かめられた。ElpとHmdをコードする遺伝子は、CO2還元型の水素資化性メタン生成菌で保存されていることから、このHmd系はニッケル制限条件下におけるCO2還元型水素資化性メタン生成菌の電子の流れの代替経路であることが示唆される。

