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細胞生物学:植物は気体の拡散を感知することによってバリア組織の完全性を監視する

Nature 644, 8076 doi: 10.1038/s41586-025-09223-4

バリア組織は、生物を周囲の環境から隔離する働きをしており、そのためには組織の完全性の維持が不可欠である。多くの種子植物では、二次成長の際に外側のバリアとして周皮が形成され、水の喪失と病原体の感染を防いでいる。周皮は、損傷によって完全性が失われると再生する。この再生は植物の生存に重要だが、その機構はほとんど解明されていない。今回我々は、シロイヌナズナ(Arabidopsis)の根では、周皮の完全性が気体であるエチレンと酸素の拡散によって感知されることを報告する。周皮が傷つくと、エチレンが傷から外に漏れ出して酸素が侵入するため、エチレンシグナル伝達と低酸素シグナル伝達の減衰が起こる。この状況が根の周皮の再生を促進する。再生が完了してバリアの完全性が回復すると、エチレンと低酸素によるシグナル伝達も損傷前のレベルに回復する。気体の拡散による監視は、表皮の損傷後に花序茎のバリア組織が再生される際にも利用される。このように、気体の拡散は、植物がバリア組織の完全性を監視して再生するために利用する一般的原理であると我々は考える。

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