Article
発生生物学:門脈周囲構造と胆管繊維症をモデル化するマウス肝臓アセンブロイド
Nature 644, 8076 doi: 10.1038/s41586-025-09183-9
肝疾患をin vitroでモデル化するには、疾患の進行を再現する系が必要である。現在の組織由来オルガノイドは、in vivoで観察される複雑な細胞構成や組織構造を再現できていない。今回我々は、成体の肝細胞、胆管細胞、間葉系細胞から構成される多細胞オルガノイド系について報告する。この系は、肝臓の門脈周囲領域の構造を再現していて、操作により、胆汁うっ滞性傷害や胆管繊維症のいくつかの側面をモデル化する。我々はまず、in vivo組織の形態学的な特徴を保持した機能的な毛細胆管ネットワークを備える、再現性の高い肝細胞オルガノイドを作り出した。これらを胆管細胞および門脈繊維芽細胞と組み合わせることで、門脈周囲領域の細胞間相互作用を模倣するアセンブロイドを作製した。このアセンブロイドは機能的であり、毛細胆管から胆管への胆汁排出を一貫して行う。注目すべきは、門脈間葉系細胞の相対数を操作するだけで、免疫区画とは独立して、繊維症様状態を誘導するのに十分であったことである。変異型細胞と野生型細胞のキメラアセンブロイドの作製によって、あるいは遺伝子ノックダウン後に、我々の系が遺伝子機能や細胞自律的機構を調べるのに適しているという概念実証が示された。以上より、肝臓アセンブロイドは、毛細胆管の形成、胆汁の排出、および異なる細胞タイプが胆汁うっ滞性疾患や胆管繊維症にどのように関与するかを、一体型モデルとして研究するのに適したin vitro系であることが実証された。

