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有機化学:キラル支持電解質を用いたホスフィン類の動的速度論的分割

Nature 643, 8074 doi: 10.1038/s41586-025-09238-x

生体系ではキラル中心が多く見られ、ホモキラリティーが分子の特性に影響を及ぼすので、エナンチオピュアな化合物の合成は有機化学の中心となっている。有機合成の適用範囲と持続可能性を向上させる強力なツールとしてますます電気化学が認識されるようなり、合成困難なキラル分子を得るためにますます多くの努力が不斉電極触媒反応の開発に向けられるようになっている。しかし、多くの有用な電気化学反応は、触媒を用いない直接電気分解に頼っているため、エナンチオ選択性を持たせることが本質的に困難である。支持電解質は電気化学系に不可欠であり、十分な溶液伝導度の確保に加えて、電気化学的変換の速度と選択性に影響を及ぼし得る。キラル支持電解質は直接電気分解を通して不斉反応を媒介し得るが、有機電解合成におけるキラル支持電解質の使用については依然としてほとんど調べられていない。今回我々は、支持電解質として化学量論量未満のキラルリン酸塩を使用してラセミ三価ホスフィン類の酸化を促進させて、エナンチオリッチになったホスフィンオキシド類を得たことを報告する。今回の手法は、アノードで発生したホスホニウムラジカルカチオンの高速ピラミッド反転を利用する動的速度論的分割戦略に依存する一方、電極–電解質界面における高濃度のキラルホスフェートが、律速求核付加時のエナンチオ選択的制御を促進させる。今回の結果は、ラジカルイオンを介する不斉変換を促進させる際のキラル支持電解質の有望性を浮き彫りにしている。

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