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がん:シタラビンの神経毒性誘発機構
Nature 643, 8074 doi: 10.1038/s41586-025-09210-9
有糸分裂後のニューロンには、メチル化シトシンとその酸化中間体である5-ヒドロキシメチルシトシンなどが高濃度で存在する。しかし、DNAのこのようなエピジェネティック修飾が機能にどのような関わりがあるのかはほとんど分かっていない。今回我々は、シタラビンのような一部のシチジン類似体が、TDGに依存した塩基除去修復を妨げることによって、TETを介した能動的な5メチルシトシンの脱メチル化の際にDNA二本鎖切断を生じさせることを明らかにする。このような二本鎖切断は、DNAリガーゼ4によって頻繁にDNAの欠失や転位に変換される。in vivoでは、ニューロン集団の中でシタラビンによる高レベルのDNA損傷が見られるのは、小脳のプルキンエ細胞とゴルジ細胞に限られている。プルキンエ細胞では、TETはエンハンサーに関連したヒストン修飾によって標識され、高度に発現されている遺伝子集団を標的とする。これらの遺伝子の多くは運動の協調を制御しており、以前から知られていたシタラビンの小脳での神経毒性はこれで説明がつく。ゲムシタビンのような他のシチジン類似体がニューロンで引き起こすのは一本鎖切断に限られ、これはDNAリガーゼ3によって修復されて毒性は最小限にとどまることが分かった。これらの知見によって、TETを介したDNA脱メチル化、塩基除去修復と遺伝子発現のニューロンにおける機構的なつながりが明らかになった。またこれらの結果から、抗悪性腫瘍薬の1つの重要なクラスが異なる神経毒性プロファイルを示すことが、合理的に説明される。

