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気候科学:雲移動ベクトルで検出された大気循環の10年変動

Nature 643, 8073 doi: 10.1038/s41586-025-09242-1

大気循環の変化は、全球の天候パターンとそれらの極端事象を変え、人間社会と生態系に大きな影響を及ぼしている。大気再解析と気候モデルデータを用いた研究では、この数十年間の多様な循環の変化が示唆されているが、その規模と方向にさえも差異があり、独立した気候品質の測定による検証が緊急に必要であることが浮き彫りになっている。本論文で我々は、複数角度分光放射計(MISR)で得られた衛星観測による高度分解雲移動ベクトルを用いて、過去20年にわたる対流圏循環の統計的に有意な変化を示す。中緯度域における対流圏上部の雲の移動速度は、最大で10年当たり約4 m s−1増加していた。この加速の原因は、主に南北方向の流れの強化であり、より極向きの低気圧経路や温帯低気圧の強化を示唆している可能性がある。北半球と南半球の熱帯は、緯度がそれぞれ10年当たり0.42 ± 0.22度および0.02 ± 0.14度(95%信頼区間)極向きに広がっていた一方、対応する寒帯前線の緯度は、それぞれ10年当たり0.37 ± 0.31度および0.31 ± 0.21度移動していた。我々はまた、MISR用に抽出された広く用いられているERA5再解析の風は、気候値とMISRの傾向によく一致しているが、対流圏上層でのERA5のバイアスの可能性を示唆していることも示す。こうしたMISRに基づく観測によって、再解析と気候モデルを洗練して、気候変動が雲と大気循環に及ぼす影響の理解を深めるための重要な基準が得られる。

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