Article
量子測定:音響周波数領域におけるセンシングのためのハイブリッド量子ネットワーク
Nature 643, 8073 doi: 10.1038/s41586-025-09224-3
場や力のセンシングの究極の限界は、センサーの量子雑音によって規定される。エンタングルメントによって、そうした雑音の抑制と、標準量子限界を超える感度の達成が可能になる。量子光学センシングの応用可能性は、利用可能な量子光源の固定波長によって制約されることが多い。もう1つの普遍的な限界は、いくつかの応用に適した音響雑音周波数領域において量子雑音に制限される感度を達成することの難しさに関係している。今回我々は、広範囲の光学スペクトルに適用可能な量子状態処理を行うとともに、音響周波数領域において量子雑音を1オクターブにわたって抑制することによって、広帯域量子センシングツールを実証する。原子スピンアンサンブルは、アインシュタイン–ポドルスキー–ローゼン(EPR)光源の周波数可変ビームの一方と強く結合する。もう一方のEPR光ビームは、第一のビームとエンタングルし、異なる波長に調整される。我々は、このスピンアンサンブルを負の質量または正の質量の振動子として機能するよう操作し、異なる波長での測定向けに周波数に依存した量子雑音の低減を実証した。このスピンアンサンブルは調整可能なので、kHzからMHzまでのダイナミクスを示すさまざまな系において量子雑音を対象にすることができる。我々は、音響周波数領域における広帯域の量子雑音低減の例として、今回の手法の重力波検出器(GWD)への応用可能性を解析した。他の応用可能性としては、連続変数量子リピーターや分散型量子センシングなどが挙げられる。

