腫瘍免疫学:CREMはNK細胞におけるCARとIL-15シグナル伝達の調節チェックポイントである
Nature 643, 8073 doi: 10.1038/s41586-025-09087-8
キメラ抗原受容体(CAR)ナチュラルキラー(NK)細胞による免疫療法は、がんに対抗する有望な手法である。しかし、CAR-NK細胞活性を調節する分子機構はまだ明らかにされていない。今回我々は、転写因子CREM(cyclic AMP response element modulator)をNK細胞機能の重要な調節因子として特定した。トランスクリプトーム解析によって、CAR-NK細胞では腫瘍マウスモデルにおける養子移入後のエフェクター機能のピーク時に、CREMが顕著に誘導されることが明らかとなり、このピークは活性化と機能障害の両方のシグネチャーと一致した。我々は、CARの活性化とインターロイキン15(IL-15)シグナル伝達はどちらも、NK細胞でCREMの発現上昇を急速に誘導することを実証する。機能的には、CREM欠損はin vitroとin vivoの両方でCAR-NK細胞のエフェクター機能を増強し、再チャレンジ後に腫瘍が誘導する免疫抑制に対する抵抗性を高める。機構的には、我々は、CREMの誘導がPKA–CREBシグナル伝達経路を介しており、この経路が、CAR活性化の下流のITAM(immunoreceptor tyrosine-based activation motif)シグナル伝達、あるいはIL-15によって活性化され得ることを立証した。また我々の知見は、CREMが、CAR-NK細胞のエピジェネティックな再プログラム化を介してその調節機能を発揮することを明らかにしている。我々の結果は、CREMがCAR-NK細胞の抗腫瘍効果を増強するための治療標的であることを支持するものである。

