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神経科学:前頭前野が符号化する情動推測のための内部モデル

Nature 643, 8073 doi: 10.1038/s41586-025-09001-2

情動を仲介する脳システムの重要な機能の1つは、不快な経験の予測を学ぶことである。生体は、感覚刺激と嫌悪的結果を容易に連合するが、情動学習と記憶の高次の形態では、直接経験した嫌悪的な事象を取り巻く状況を、元の経験の一部ではない他の間接的に関連した感覚パターンに外挿して推測することが必要となる。このタイプの学習には、直接経験した嫌悪的連合と推測した連合を柔軟にたどる、情動の内部モデルが必要である。単純な形での嫌悪学習の脳内機構は、例えば扁桃体などの領域で詳しく研究されてきたが、情動に関連した連合の内部モデルを、果たして脳が作って表現しているかどうか、しているならどのように表現しているかは分かっていない。本論文で我々は、齧歯類の背内側前頭前皮質(dmPFC)のニューロンが、環境内の感覚刺激を、直接であれ間接であれ当該経験に関連した嫌悪的事象と結び付けることによって、柔軟な情動の内部モデルを符号化していることを報告する。これらの神経表現は、推測を支えるdmPFC細胞の動員と安定化を含む多段階の符号化機構を通じて形成されることが分かった。dmPFC集団の活動は、全ての顕著な刺激の連合を符号化しているが、扁桃体に投射するdmPFCニューロンは、推測的な連合を特異的に表現しており、その発現に必要であった。まとめると今回の知見は、情動の内部モデルをdmPFC内で符号化して、推測した情動性記憶を想起するよう、皮質下系を調節する仕組みを明らかにしている。

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