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化学工学:安定なプロパン脱水素触媒のためのゼオライト中でのPtの移動と固定
Nature 643, 8072 doi: 10.1038/s41586-025-09168-8
シェールガス革命によって、プロピレン製造はナフサ分解から、プロパン脱水素(PDH)を主要技術として用いる意図的な製造へと移行した。PDHは吸熱反応であり、焼結とコークス化に有利な高い温度を必要とするため、十分安定な活性触媒の開発が課題となっている。活性と選択性と安定性のバランスを取るために、ゼオライトに担持された白金–スズ(Pt–Sn)触媒が開発され、さらに最近の研究では、ゼオライトに固定された単一ロジウム(Rh)原子に基づくPDH触媒が非常に優れた性能と安定性を示すことが実証された。今回我々は、シリカライト-1(S-1)ゼオライトの場合、S-1結晶のb軸の長さを調節することによって、「ゼオライト内での封入された状態のPt–Sn2クラスターの移動ひいては凝集と固定」を「ゼオライト外表面上での凝集」と対比して制御できることを示す。我々は、b軸が2.00 μmを超える場合、PDH時のPt–Sn2単量体の移動によって(Pt–Sn2)2二量体が結晶内で形成され、こうした二量体がS-1のチャネルにしっかり固定されて、550 ℃で純粋な供給プロパンを98.3%の選択性と91%の平衡転換率で6カ月以上にわたってプロピレンに転換できることを見いだした。この性能は、他のPt系PDH触媒の性能を上回っており、Rh系触媒の性能に近い。今のところは、合成要件と合成コストが工業用途には高過ぎるが、我々は、ゼオライト中の金属の移動と固定を制御する今回の手法によって、工業用途での動作寿命を延長した他の貴金属触媒の開発が可能になり得ると予想する。

