Article

植物科学:タルウマゴヤシにおける根粒菌共生と免疫のキナーゼメディエーター

Nature 643, 8072 doi: 10.1038/s41586-025-09057-0

マメ科植物の根は土壌根粒菌と共生することで窒素を確保するが、病原菌には抵抗性を保っている。この根粒菌への寛容が、植物免疫を障害せずに達成される仕組みはほとんど分かっていない。今回我々は、タルウマゴヤシ(Medicago truncatula)の細胞質のキナーゼMtLICK1/2が、根粒形成因子受容体MtLYK3と相互作用していて、共生シグナル伝達を駆動し、植物免疫を抑制することを明らかにする。根粒菌感染と根粒の発達は、Mtlick1/2変異体では障害されており、これはMtlyk3-1変異体を表現型模写している。MtLICK1/2とMtLYK3は根粒菌共生の過程で相互にトランスリン酸化を受ける。リン酸化されたMtLYK3は受容体様キナーゼMtDMI2を活性化し、共生シグナル伝達を促す。MtLICK1/2は根粒菌感染部位で活性化されて、植物免疫を抑制する。従って、MtLICK1/2とMtLYK3は協働して共生シグナル伝達を増幅しつつ、宿主の免疫を減弱させることで、マメ科植物と根粒菌の共生を可能にしている。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度