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遺伝学:ゲノム折りたたみパラドックスの解決策としての固相転移
Nature 643, 8072 doi: 10.1038/s41586-025-09043-6
超長距離間ゲノム接触は、ニューロンのゲノム構造の重要な要素だが、生化学的には謎である。これは、調節DNAエレメントが、全く同じ転写因子群に占有されている近位の塩基配列と相互作用するのではなく、何百キロ塩基も離れた場所にあるDNA塩基配列と選択的で安定した接触を作っているからだ。その典型例は嗅覚ニューロン(OSN)であり、LHX2、EBF1、LDB1が結合する部位のうち、それら同士が相互作用して高度に選択的な多染色体エンハンサーハブを形成するのはごく一部である。今回我々は、この過程についての生化学的手掛かりを得るために、組換えタンパク質とエンハンサーDNAを用いて、嗅覚受容体(OR)エンハンサーハブをin vitroで構築した。無細胞系でのエンハンサーハブの再構築により、ORエンハンサーは固体様の特徴を持つ独特な核タンパク質凝縮体を形成することが明らかになった。これらの固体様凝縮体の組み立ては、ORエンハンサーに多く含まれる特異的DNAモチーフによって調整され、このモチーフが、ORエンハンサーが結合しているLHX2–EBF1–LDB1複合体に独特な同型特性をもたらしているらしい。in vivoでの単一分子追跡とパルスチェイス実験により、生理的濃度のLHX2とEBF1は、OSNの核内でORの転写能を持つ固体様凝縮体を形成していることが確かめられた。従って、DNA塩基配列に影響される同種親和性核タンパク質の相互作用は、新しいタイプの生体分子凝縮体を生じ、こうした凝集体は、さまざまな細胞タイプにまたがる長距離間ゲノム接触の安定性や特異性に対する一般化可能な説明をもたらす可能性がある。

