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神経科学:システム固定は海馬のエングラム回路を再構成する
Nature 643, 8072 doi: 10.1038/s41586-025-08993-1
エピソード記憶は、初期に海馬に依存する、事象の忠実な記憶だが、永遠にその正確さを保つわけではない。この時間依存的な精度低下の利点は事象に関連する要点記憶の出現であり、こうした要点記憶は、新規だが似た状況での将来の行動を先導する(すなわち一般化する)のに使われる可能性がある。システム固定モデルでは、こうした記憶の精度低下に伴って記憶の再構成が起こると提案されているが、この再構成が行われる場所は分かっていない。本論文で我々は、海馬のエングラム回路の時間依存的な再構成が、システム固定に関連した記憶精度の移行を説明するのに十分であることを示す。我々は、マウスにエングラム標識ツールを適用し、海馬のエングラム回路が時間の経過とともに再配線されることで、海馬のエングラムニューロンの無差別的な活性化が可能になり、当初の訓練条件とは一致しないが関連した状況での行動が誘導されることを実証する。回路の再構成は海馬の神経発生に依存しており、海馬の神経発生を除去すると再構成が阻止され、元の高精度な事象の記憶が維持された。逆に、海馬の神経発生を促進すると、記憶の再構成が加速され、事象に関連した要点記憶が海馬に出現した。今回の結果は、システム固定モデルを更新して、これに海馬内の回路再構成による記憶の精度の質的移行を含める必要があることを示している。

