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環境科学:北大西洋におけるナノプラスチックの濃度
Nature 643, 8071 doi: 10.1038/s41586-025-09218-1
海洋領域のプラスチック汚染は広範囲に及んでおり、マクロプラスチックとマイクロプラスチックに科学的注目が最も集まっている。一方で、海洋のナノプラスチック(< 1 μm)はほとんど定量化されておらず、ナノサイズのプラスチックの質量収支の理解に空白が残されている。今回我々は、亜熱帯還流から北ヨーロッパの大陸棚まで、北大西洋を横断するトランセクトに沿って海盆スケールでナノプラスチックの濃度を測定した。その結果、水柱全体にわたって約1.5~32.0 mg m−3のポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)のナノプラスチックが発見された。平均すると、混合層の水深では中間水深の1.4倍高濃度のナノプラスチックが観測され、ヨーロッパ大陸付近の混合層でナノプラスチック濃度が最も高かった。中間水深のナノプラスチックの濃度は、亜熱帯還流で、その外側の北大西洋の外洋と比べて1.8倍高かった。最も低いナノプラスチック濃度は平均で約5.5 mg m−3で、主にPETからなり、底層水に存在していた。我々は、温帯北大西洋から亜熱帯北大西洋の混合層の場合、ナノプラスチックの質量は2700万トンに達する可能性があると推定する。この値は、大西洋全域または全球海洋に対する以前のマクロプラスチック/マイクロプラスチックの収支見積もりと同程度かそれを上回る。今回の知見は、ナノプラスチックが海洋プラスチック汚染の大部分を占めていることを示唆している。

