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免疫学:腸の炎症は微生物相特異的なCD4 T細胞が仲介する神経炎症を促進する
Nature 643, 8071 doi: 10.1038/s41586-025-09120-w
微生物相はさまざまな疾患に関与する重要な要因として認識されており、炎症性腸疾患や神経変性疾患などの状況において腸のマイクロバイオーム組成が変化するという多数の報告がある。こうした微生物の変化は、特定の代謝物の血流への放出の変化によって全身的な影響を及ぼす可能性があり、また、胃腸の微生物相は自然免疫や適応免疫の活性化を介して免疫調節活性を示すことも報告されている。しかし、微生物相が、通常これらの微生物が存在しない中枢神経系(CNS)の炎症に関与する仕組みは分かっていない。今回我々は、腸に定着しているセグメント細菌(segmented filamentous bacteria)を認識するT細胞が、機能的な制御性T細胞が存在しない条件下では、マウスの腸やCNSで炎症を誘導できることを報告する。腸の共生菌特異的なCD4 T細胞(Tcomm細胞)は、炎症を起こした腸では調節異常が見られ、抗原特異性に関係なくCNS内に浸潤するようライセンシングされ、CNSにおいて宿主タンパク質由来抗原により分子模倣を介して再刺激される可能性があり、こうした刺激後すぐにGM-CSF、IFNγ、IL-17Aを高レベルで産生し、神経学的な損傷を引き起こした。これら浸潤したTcomm細胞は、自身のIL-23R依存的な脳炎誘発プログラムとIL-23R非依存的なGM-CSF産生を介してミクログリアを活性化することでCNSの炎症を開始させる。総合的にこれらの知見から、Tcomm細胞の摂動が腸以外の炎症に関与できる有望な機構が明らかにされた。

