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免疫学:霊長類ではKuがRNAの誘発する自然免疫を制限してAlu配列を拡大させる

Nature 643, 8071 doi: 10.1038/s41586-025-09104-w

Ku70とKu80は、環状の複合体であるKuヘテロ二量体を形成し、これがDNA修復の非相同末端結合(NHEJ)経路を開始させる。Kuは、二本鎖DNAの末端に結合してLIG4やDNA-PKcsなどの他のNHEJ因子を引き寄せる。Kuは二本鎖RNA(dsRNA)に結合して、変異したDNA-PKcsをリボソームRNA上に捕捉できるが、このKu–RNAの結合が、その他の点では野生型の細胞で生理的にどのような役割を持つかは不明である。注目すべきことに、Kuはマウスの発生には必ずしも必須ではないが、ヒト細胞には不可欠である。マウスとヒトのゲノムの大きさは同程度だが、ヒト細胞はマウス細胞の100倍を超えるKuを発現していることから、KuにはNHEJの他にも機能があると考えられる。それはおそらく、dsRNAとの用量に応じた相互作用を介しており、dsRNAのKuへの結合強度は、二本鎖DNAへの結合の10分の1から100分の1である。今回我々は、Kuの欠乏が、dsRNAセンサーであるMDA5–RIG-IやMAVSを介するインターフェロンシグナル伝達とNF-κBシグナル伝達が強く誘発することを報告する。Kuの分解時間が長くなると、さらに他のdsRNAセンサー、特にPKR(別名EIF2AK2、翻訳を抑制する)とOAS–RNアーゼL(リボソームRNAを切断する)が活性化され、これが成長の停止と細胞死につながった。MAVS、RIG-I、MDA5をノックアウトすると、インターフェロンシグナル伝達が抑制され、PKRのノックアウトと同様に、Kuが欠乏したヒト細胞が部分的に救済された。Kuの架橋と免疫沈降解析によって、KuがさまざまなdsRNA分子、イントロンや3′非翻訳領域にある霊長類特異的なアンチセンスAluエレメント中のステムループに主として結合することが明らかになった。Kuは、非霊長類哺乳類よりも霊長類で高度に発現されており、Aluの拡大と密接に関連している。従って、Kuは霊長類でのAlu拡大の受容に不可欠な役割を果たしており、dsRNAが誘発する自然免疫を制限している。Kuがヒト細胞で高度に発現され、重要な機能を担っている理由は、これで説明できる。

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