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代謝:代謝適応は組織再生過程で細胞運命を指示する

Nature 643, 8071 doi: 10.1038/s41586-025-09097-6

細胞運命の指定は一般的に転写調節に起因すると考えられているが、新たなデータからは、中間代謝と関連する分子が役割を担っていることも示されている。例えば、トリカルボン酸(TCA)回路においてエネルギー産生や生合成経路の燃料となるα-ケトグルタル酸(αKG)は、クロマチン修飾酵素の補因子でもある。しかし、TCA回路の代謝物が、組織の恒常性維持や再生の過程で細胞運命を調節するかどうかは明らかではない。今回我々は、TCA回路の複数の酵素が腸において不均一に発現しており、αKG脱水素酵素複合体の構成要素が、吸収細胞系譜では発現上昇していて、分泌細胞系譜では発現低下していることを示す。我々は、遺伝的に改変されたマウスモデルやオルガノイドを用いて、αKG脱水素酵素複合体の酵素サブユニットである2-オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼ(OGDH)が、細胞系譜特異的な2つの役割を持つことを明らかにする。吸収細胞系譜では、OGDHはHNF4転写因子によって発現上昇し、腸細胞の生体エネルギーや生合成の要求を維持する。分泌細胞系譜では、OGDHは、モデル化するとαKGレベルを上昇させて分泌細胞の分化を誘導する過程を介して下方調節される。これと一致して、分泌細胞の分化や成熟が障害される大腸炎マウスモデルでは、OGDHの阻害、あるいはαKGの補充によって、これらの障害が回復し、組織の治癒が促進された。従って、OGDH依存性は細胞系譜特異的であり、その調節は細胞運命の指示に役立つことから、再生医療における標的療法のための手掛かりになる。

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