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医学研究:組織間の多細胞協調とがんにおけるその再配線
Nature 643, 8071 doi: 10.1038/s41586-025-09053-4
組織恒常性や疾患進行を支える多細胞間の協調は、根本的な関心事となっている。しかし、多様な細胞タイプがまとまって機能するために組織ニッチ内でどのように組織化されるのかは、ほとんど分かっていない。本研究で我々は、健常組織での組織間の協調的な細胞モジュールを体系的に特徴付けし、それらの時空間的動態と表現型の関連性を明らかにして、がんにおけるそれらの再配線について調べた。我々はまず、35のヒト組織から包括的な単一細胞トランスクリプトームアトラスを作成し、細胞組成に組織間で大きな変動があることを明らかにした。そして、細胞存在量の共分散を用いることで、細胞組成、組織内での存在率、空間的構成の異なる12の細胞モジュールを特定し、in situでの空間データとin vivoでの摂動データを用いて細胞モジュール内の協調的な細胞間コミュニケーションを実証した。その中で、脾臓の2つの免疫細胞モジュールは、老化に伴って対照的な経時的動態を示した。乳房における多細胞変化解析では、繊維芽細胞の動態に関連した閉経期の軌跡が明らかになった。さらに、がんタイプ全体にわたる研究で、健常構造の組織特異的な喪失と収斂的ながん生態系の出現という2タイプの多細胞生態系の再配線が、腫瘍進行中に同時に起こることが分かった。以上の知見は、健常状態とがんにおける多細胞生態系の基本的な組織化原理を示しており、多様な状況での組織レベルの機能的協調に対する今後の研究の基礎となるものである。

