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化学:アルケンの一炭素ホモロゲーション
Nature 643, 8070 doi: 10.1038/s41586-025-09159-9
一炭素同族体(ホモログ)は、関連した構造と同じ官能基を持つ、鎖の長さがメチレン(–CH2–)ユニット1つ分だけ異なる有機分子である。医薬品、天然物、農薬、香料、石油製品を含む多種類の分子にわたって、同族列の各同族体が示す物理化学的特性は化合物ごとにわずかしか違わないが、機能は大きく異なる可能性がある。従って、同族体の効率的合成は、分子発見プログラムにおける重要戦略である。数種の官能基についてはホモロゲーション(同族体化)戦略を利用できるが、アルケンにおける直接的かつ一般的な一炭素鎖伸長方法は、依然として合成的要求を満たしていない。今回我々は、単純な分子や複雑な分子における多種類のアルケンに有効な、触媒的一炭素ホモロゲーションプロセスを報告する。多くの側面を持つ新しいアリルスルホン試薬の固有の反応性を利用することによって、クロスメタセシスとフラグメント化–レトロエン・カスケードを伴う合理化されたワンポットプロセスで、単一メチレンユニットがアルケン鎖に形式的に挿入される。構造と官能基が複雑ないくつかの分子にこのプロセスを適用したところ、これまで調べられていなかったシクロスポリンA同族体を今回の実用的な変換によって合成する方法が実証された。こうした同族体は、調節された薬理学的特性や生物学的特性を示し、多くの疾病分野において大きな可能性を持つ標的であるシクロフィリン阻害剤として有望なリード化合物をもたらす可能性がある。

