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電池:全固体電池に向けた高コスト効率のオールインワンハロゲン化物材料
Nature 643, 8070 doi: 10.1038/s41586-025-09153-1
全固体電池は、高エネルギー密度の可能性と経済的実行可能性を実現するために、高度な正極設計を必要とする。一体型オールインワン正極は、不活性な導電性添加剤やヘテロ界面が不要であり、かなりのエネルギーと安定性が得られるため有望であるが、材料に十分なLi+/e−伝導率、機械的堅牢性、構造的安定性がないため実現が阻まれている。今回我々は、こうした課題を克服する、高コスト効率ハロゲン化物材料であるLi1.3Fe1.2Cl4を提示する。骨格内での可逆的なFe2+/Fe3+酸化還元と高速Li+/e−輸送を利用することによって、Li1.3Fe1.2Cl4において529.3 Wh kg−1(vs. Li+/Li)という電極エネルギー密度が達成された。非常に重要なのは、Li1.3Fe1.2Cl4が、可逆的な局所Feマイグレーションや、自己修復挙動をもたらす脆性–延性遷移など、サイクル時に独特な動的特性を示すことである。これによって、並外れて優れたサイクル安定性が可能になり、5 Cレートで3000サイクルにわたり90%の容量が保持された。Li1.3Fe1.2Cl4とニッケルリッチ層状酸化物を一体化させたところ、エネルギー密度がさらに725.6 Wh kg−1まで増加した。今回の研究は、オールインワンハロゲン化物の有益な動的機械的特性と拡散特性を利用することによって、この材料を次世代全固体電池の高エネルギー密度で高耐久性の正極を実現する手段として確立するものである。

