Article
ペロブスカイトLED:発光ダイオード用の空間的に弱閉じ込めされた全無機ペロブスカイト
Nature 643, 8070 doi: 10.1038/s41586-025-09137-1
金属ハロゲン化物ペロブスカイトは、発光ダイオード(LED)用の有望な材料である。ペロブスカイトLED(PeLED)の外部量子効率を向上させるため、ナノ結晶/量子ドット、低次元ペロブスカイト、超薄型ペロブスカイト層を用いた電荷キャリアの空間的閉じ込めが全て使用されてきた。しかし、空間的に強閉じ込めされたペロブスカイトはその多くが、深刻なオージェ再結合、イオンマイグレーション、熱不安定性の問題を抱えており、結果として、輝度や動作寿命に制限がある。今回我々は、全無機ペロブスカイトの空間的に弱閉じ込めされた大粒径結晶に基づく代替戦略を報告する。犠牲添加剤として次亜リン酸と塩化アンモニウムを用い、臭化セシウム鉛の核生成と結晶化を誘導した結果、トラップ密度を最小限に抑えた高いフォトルミネッセンス量子収率の単結晶粒が得られた。高いキャリア移動度とオージェ再結合の抑制のおかげで、外部量子効率が22.0%に達する効率的なPeLEDが得られ、この効率は、1000 mA cm−2に近い高電流密度と116万7000 cd m−2を上回る輝度で20%以上を維持した。さらに、イオンマイグレーションの抑制と熱安定性の向上のおかげで、室温で初期輝度100 cd m−2の下、空間的に弱閉じ込めされたPeLEDの外挿された半減期は18万5600時間に増大した。今回の研究は、実用に向けた効率的で高輝度の安定したPeLEDを設計する新しい手法である。

