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構造生物学:エムポックスウイルスのコアプロテアーゼの基質認識と切断機構

Nature 643, 8070 doi: 10.1038/s41586-025-09014-x

ポックスウイルスは、天然痘やエムポックスなど、ヒトの健康への重大な脅威となる深刻な病気を引き起こす。ポックスウイルスのコアプロテアーゼ(CorePro)はウイルスの成熟に不可欠であり、ポックスウイルスでは高度に保存されていて、抗ウイルス治療の標的として関心を集めている。しかし、CoreProの構造がまだ解明されていないことが、抗ウイルス療法開発の妨げとなっている。今回我々は、エムポックスウイルス(MPXV)のCoreProのアポ構造と、筋ジストロフィーの治療薬候補である阻害剤アロキシスタチンと複合体を形成したCoreProの構造を決定した。これらの構造から、CoreProがホモ二量体を形成し、独特な「踊るカップル」と命名された折りたたみ構造を特徴とすることが明らかになった。CoreProの触媒反応中間体状態は、天然の基質(I-G18)からのアルデヒド誘導体によって詳細が分かった。この誘導体は触媒残基Cys328と共有結合して、ウイルスプロテアーゼの活性部位を、基質の結合に応じてアポ型の閉じたコンホメーションから結合に適した開いたコンホメーションへと変化させる。CoreProI-G18複合体の構造に基づいて、ニトリル基が弾頭に当たる位置を占め、これが触媒残基Cys328を共有結合で固定している形の、ペプチドを模倣した一連の阻害剤を設計した。これらの化合物は、50%阻害濃度44.9~100.3 nMでCoreProを阻害し、幅広く強力な抗ポックスウイルス活性を示す。この研究によって、ポックスウイルス感染に対する広域スペクトルの阻害剤を設計する基盤が整った。

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