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神経科学:ショウジョウバエの下行性・上行性ニューロン群の比較コネクトミクス
Nature 643, 8070 doi: 10.1038/s41586-025-08925-z
ほとんどの複雑な神経系では、行動に必要な最終運動出力の大部分を含む神経索と脳との間に、明瞭な解剖学的分離がある。昆虫では、頸連結部が、脳と腹側神経索(脊髄と相似な構造)をつなぐ物理的かつ情報上の隘路となり、そこは感覚運動の信号授受と制御に不可欠な下行性ニューロン(DN)・上行性ニューロン(AN)・感覚上行性ニューロンの多様な集団から構成されている。今回我々は、3種の別個な電子顕微鏡(EM)データセットを統合して、雌のショウジョウバエ(Drosophila)の神経系のANおよびDNの全コネクトーム明細図を描き、それを雄の神経索のニューロン群と比較した。校正されたニューロンの再構成は、左右半球・データセット・雌雄について照合した。重要なのは、DNの細胞タイプの51%までを、個別の指令系統を決定して全ての上行性集団を分類した光学顕微鏡レベルのデータとマッチさせたことである。今回の結果を用いて、頸連結部ニューロンの解剖的・回路的なロジックが明らかになった。頸部全体にわたってDNとANの鎖状連結があり、これは運動のシーケンスを下支えするものかもしれない。また、性的二型性のDN集団とAN集団を完全に記載し、雄の求愛ニューロン(DNa12、別称aSP22)と歌生成ニューロン(08Bの半系統からのAN)および雌の産卵管伸出ニューロン(DNp13)を含む生殖行動特異的な回路の詳細な解析を示した。本研究で、成体動物中枢神経系全体にわたるEMレベルの回路解析が提示された。

