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天文学:金属と塵が極端に少ない銀河しし座Pにおける分子状水素

Nature 642, 8069 doi: 10.1038/s41586-025-09115-7

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)によって、銀河形成モデルと矛盾する、初期宇宙における予想外に急速な銀河の集積が明らかになっている。初期銀河に典型的な、重元素(金属)と塵の存在度が低い環境での、分子状水素の形成と星形成との関連については依然ほとんど理解されていない。いくつかのモデルでは、低金属量の場合は主に原子ガス中で、対照的に高金属量の場合は分子ガス中で星が形成されると予測されている。繰り返し行われた探査にもかかわらず、低温の分子ガスは、金属量が太陽の7%未満のいずれの銀河でも観測されていない。本論文で我々は、JWSTの中間赤外線観測装置/中解像度分光(MIRI-MRS)観測モードによって、金属量が太陽の3%の銀河しし座P内に唯一存在するO型星周辺に、分子状水素からの回転放射を検出したことについて報告する。これらの観測結果によってしし座Pの分子ガス含有量に下限が定められ、O型星によって照らされた光解離領域(PDR)のモデル化からコンパクト(半径≤ 2.6 pc)でおよそ104 Mのガス雲が示唆された。我々はまた、アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計(ALMA)による深宇宙探査で得られた、一酸化炭素(CO)放射の厳密な上限値についても報告する。我々の結果は、従来の観測のトレーサーであるCOを利用できない、低金属量領域内の紫外線に照らされた小さな分子雲でさえ特性評価することのできる、MIRI-MRSの能力を浮き彫りにしている。今回の発見は、分子ガスが検出可能な量で存在する限界金属量を2分の1以下に押し下げ、初期銀河における星間物質のモデルに対して観測に基づいた極めて重要な指針をもたらしている。

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