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神経科学:熱感覚と炎症痛の分散符号化論理

Nature 642, 8069 doi: 10.1038/s41586-025-08875-6

体性感覚ニューロンは、接触や温度の詳細な情報を符号化し、末梢での痛みを駆動する。今回我々は、機能的画像化法と多重化in situハイブリダイゼーションを組み合わせて、熱刺激と機械刺激が複数のニューロンのクラスでどのように符号化されているか、また、炎症によってこの神経表現がどのように変形して熱過敏症や機械的異痛症、慢性疼痛を引き起こすかを調べた。我々のデータから、頬部を神経支配している三叉神経ニューロンが、軽い接触と熱への応答を完全に分離していることが明らかになった。対照的に、熱刺激と侵害的機械刺激は、特定の知覚や行動を誘発すると考えられている細胞タイプを含めて、広く侵害受容器細胞クラスを活性化した。炎症媒介物質のプロスタグランジンE2を注射すると、特定のクラスの侵害受容器に持続的な活動と熱への鋭敏化が引き起こされ、これにより持続性炎症痛と熱過敏症の細胞基盤が明らかになった。我々は、カプサイシン受容体のTRPV1は、熱鋭敏化に中心的役割を果たすが、自発的な侵害受容器の活動には関わっていないことを示す。意外なことに、機械刺激の応答に対する炎症の影響はごくわずかであり、このため触覚性異痛症は、接触に同期した侵害受容器の持続的発火が原因であることが示唆される。実際に我々は、侵害受容器の活動が炎症に伴う接触性異痛症の発生に必要かつ十分であることを実証した。総合すると今回の知見は、細胞と分子レベルでの感覚の符号化と識別のモデルを精細化したもので、接触と温度がトランスクリプトーム上は異なる集団間で広く別個に符号化されていることを実証しており、炎症によって細胞レベルの応答が変形して疼痛の多様な相を引き起こす仕組みについての手掛かりを与えている。

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