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再生生物学:肢再生における位置記憶の分子基盤

Nature 642, 8068 doi: 10.1038/s41586-025-09036-5

サンショウウオの肢の切断は、前方および後方の結合組織細胞を誘発して、別個のシグナル伝達センターを形成させ、総合的に再生を促す。前方と後方のアイデンティティーは発生過程で確立され、位置記憶という形で生涯にわたって維持されると考えられている。しかし、位置記憶の分子基盤や、位置記憶が変わり得るかどうかは分かっていない。今回我々は、メキシコサンショウウオ(Ambystoma mexicanum、別名アホロートル)の肢において、後方のアイデンティティーを担う正のフィードバックループを特定した。後方の細胞は発生時から残存するHand2転写因子を発現しており、これによって後方の細胞は、肢切断後にShhシグナル伝達センターを形成する準備ができている。再生の際、Shhシグナル伝達もHand2発現の上流にある。再生後、Shhは発現しなくなるが、Hand2の発現は持続し、後方の記憶を保護する。我々は、この再生回路を用いて、前方の細胞を後方の細胞の記憶状態に変換した。再生過程で前方の細胞をShhに一過性曝露すると、異所性のHand2–Shhループが開始し、Hand2の安定した発現につながり、Shhを発現させる能力が持続した。我々の結果は、位置記憶の安定性に正のフィードバックが関与していることを示しており、位置記憶は、前方を後方へ変換する方が、その逆方向よりも再プログラム化されやすいことが明らかになった。再生細胞において位置記憶を変更すると、これらの細胞のシグナル伝達の出力が変化し、このことは組織工学的意味を持つ。

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