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生態学:温暖化する北極域における植物多様性の空間的・時間的な動態

Nature 642, 8068 doi: 10.1038/s41586-025-08946-8

北極域の温暖化は世界的な平均よりも4倍速く進行しており、植物群落は、種の豊富さ、組成、分布の変化を通してそれに応答している。しかし、北極域における植物多様性の局所的変化の方向性と規模は、いまだ定量化されていない。本研究で我々は、北極域全域の2174のプロットから得られた490種の維管束植物の4万2234件の記録をまとめたものを用い、1981〜2022年に繰り返し行われた調査を通じて、種の豊富さと組成の経時的変化を定量化した。また、これらの変化の背後にある地理的、気候的、生物的な駆動要因も特定した。種の豊富さは低緯度域や温暖な地域ほど高いことが分かったが、平均して、種の豊富さが方向性を持って経時的に変化したことを示す兆候は見られなかった。一方、種の入れ替わりは広範囲で起きており、59%のプロットで種の獲得や喪失が見られた。種の獲得と喪失の割合は、気温上昇が最も大きかった地域でより大きかった。低木(特に直立低木)の拡大は、より大きな種の喪失と種の豊富さの低下に関連していた。植物の組成は変化しているものの、北極域の植物群集は互いに類似してきてはおらず、これは、今のところ生物的な均一化は起きていないことを示唆している。まとめると、北極域の植物群落は種の豊富さと組成において異なる方向に変化しており、気温と植物間相互作用が変化の主な駆動要因であることが明らかになった。我々の知見は、気候的および生物的な駆動要因が、いかに協調して植物組成を変化させ得るかを示しており、これは、生態系機能、野生生物の生息地、北極域の人々の生活に影響を及ぼし得る、生物多様性の将来的な変化に先行したものである可能性がある。

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