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医用生体工学:ミリスピナー血栓除去術
Nature 642, 8067 doi: 10.1038/s41586-025-09049-0
血栓による動脈や静脈の閉塞は、重篤な病態を引き起こす可能性がある。機械的血栓除去術は、吸引、ステントリトリーバー、切削機構を通して血栓を除去することによって、虚血性脳卒中、心筋梗塞、肺塞栓、末梢血管疾患を治療するために用いられる低侵襲技術である。しかし、現行の機械的血栓除去法は、特にフィブリンに富んだ大きな血栓の場合、患者の10~30%で血栓を除去できない。こうした方法はまた、血栓の断裂や断片化をもたらす可能性があり、遠位部塞栓や転帰不良を引き起こし得る。今回我々は、こうした課題を克服するために、単純だが革新的な力学概念を用いて血栓の微細構造を変化させて除去しやすくするミリスピナー血栓除去術を開発した。このミリスピナーは、回転によって誘起される圧縮力とせん断力を通して、血栓のフィブリンネットワークを機械的に高密度化し、赤血球を解放することによって機能する。ミリスピナーは、血栓の体積を95%縮小させることで、血栓を容易に速かに除去できる。肺動脈流モデルおよび大脳動脈流モデルにおけるin vitro試験、ならびにブタモデルにおけるin vivo実験によって、ミリスピナーが超高速の血栓除去と高忠実度の血行再建を実現し、吸引血栓除去よりも優れていることが実証された。このミリスピナー血栓除去術は、血栓の微細構造を直接変化させて血栓除去を容易にすることで、血栓の断裂や切削に依存する現行の方法と比較して機械的血栓除去術の成功率を向上させる。この手法は、特に虚血性脳卒中、肺塞栓、末梢血栓症の治療に向けた、機械的血栓除去デバイスの新しく有望な方向性を示している。

