気候科学:湖面域のダイナミクスの形成における季節性の全球的支配
Nature 642, 8067 doi: 10.1038/s41586-025-09046-3
湖沼は、生態系、温室効果ガスの放出、水資源に極めて重要であるが、それらの表面域のダイナミクス、特に季節性については、人工衛星観測に制約があるため大陸スケールから全球スケールではあまりよく分かっていない。これまでの研究は長期変化に注目してきたが、季節性の包括的評価は、単一の人工衛星データの空間分解能と時間分解能の間のトレードオフによって制約されていた。本論文で我々は、季節性が、全球的に湖面域の変動の支配的な駆動因であることを示す。我々は、MODISとランドサットに基づくデータセットの深層学習に基づく時空間的融合と、高性能計算を併用して、140万の湖沼の月ごとのマッピングを実現した(2001~2023年)。全球地表水データセットに対して検証すると、今回の手法によって得られた流域レベルの中央値のユーザー精度は93%、プロデューサー精度は96%となった。季節性が支配的な湖沼が、全球の湖の面積の66%、湖の総数の約60%を占め、世界人口の90%以上がそうした湖沼が広がる地域に居住している。季節性によって生じる極端事象の間は、その影響は23年間の長期変化と通常の季節変動を合わせた規模を上回り、縮小する湖沼の42%の収縮を倍増させて、成長する湖沼の45%の拡大を十分に相殺している。これらの結果は、環境変動に対する水圏の応答を理解し、湖水系を保護し、全球気候モデルを改善するのに極めて重要な、これまで隠れていた季節的ダイナミクスを明らかにしている。今回の知見は、今後の研究に季節性を取り込むことの重要性を浮き彫りにするとともに、さまざまな情報源のリモートセンシングデータの融合における進歩によって将来の有望な道が得られることを示唆している。

