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進化学:協同繁殖を行う鳥類における互恵的な手伝い行動の隠れた役割

Nature 642, 8067 doi: 10.1038/s41586-025-08958-4

協同の根底にある機構の解明は、生物学にとって重要である。脊椎動物における協同の最も複雑な形は協同繁殖動物で見られるもので、この繁殖形態ではヘルパーは自ら繁殖せずに他の個体(通常は血縁個体)の子育てを手伝う。しかし、協同社会の全てが血縁関係に基づくわけではなく、協同繁殖を行う鳥類および哺乳類の半数近くは、ヒト社会に似た、血縁個体と非血縁個体が混ざった社会を形成している。こうした血縁関係の混在した社会では、血縁選択は、個体が血縁個体を優先的に助けることで間接適応度を獲得する場合に起きるが、ヘルパーは非血縁個体を助けることも多く、これは、協同社会の安定化において直接適応度が役割を担っている可能性を浮き彫りにしている。本研究で我々は、ツキノワテリムク(Lamprotornis superbus)の20年にわたる研究を用い、直接適応度と間接適応度が全体としてどのように、手伝い行動に影響を及ぼすかを検証した。血縁に偏った手伝い行動(血縁選択の実証)は検出されたものの、血縁個体を助ける機会がありながら非血縁個体を手伝う行動もよく見られた。意外にも、ヘルパーと繁殖個体の特定のペアは、生涯を通じて社会的役割を交換することにより互恵的な手伝い関係を長期にわたって維持していた。これは、検出に数十年規模の観察を必要とする互恵関係の微妙なパターンである。非血縁個体を助ける頻度と、血縁個体と非血縁個体の両方で互恵的な手伝い行動が見られることを考えると、ツキノワテリムクの手伝い行動には直接適応度が大きな影響を及ぼしていると思われる。一方で、直接適応度と間接適応度の相対的な重要性は、ヘルパーの性や分散の履歴によって変化した。我々は、長期的な互恵的手伝い行動が担う、隠れているが極めて重要な役割を明らかにすることで、互恵関係が、協同繁殖社会の安定性を促す、これまで正しく評価されていなかった機構である可能性があると提案する。

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