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スピントロニクス:p波磁性体の電気的スイッチング

Nature 642, 8066 doi: 10.1038/s41586-025-09034-7

ゼロ磁化でも非相対論的スピン分裂を示す磁性状態は、次世代のスピントロニクスデバイスの優れた候補である。こうした状態は、電子ボルト(eV)スケールのスピン分裂と超高速のスピンダイナミクスを示し、浮遊磁場がほぼ消失していることから、いくつかの応用に特に有望である。最近、偶パリティのd波、g波、i波交代磁性体や、奇パリティのp波磁性体など、非自明なスピンテクスチャーを伴うそうした磁性状態のさまざまな例が同定されている。こうした磁性状態の非一様なスピン分極を電圧で制御することは、エネルギー効率が高くコンパクトな情報記憶デバイスや情報処理デバイスを実現する上で大きな関心を集めている。スピンスパイラルII型マルチフェロイック材料は、そうした電圧による制御に最適な候補であり、それはこの材料が、強誘電分極を直接誘起する、反転対称性を破る磁気秩序を示し、スピンカイラリティーと極性秩序の間の対称性保護された交差制御を可能にするからである。今回我々は、光電流測定、第一原理計算、群論解析を組み合わせることによって、スピンスパイラルII型マルチフェロイック材料NiI2のスピン分極が、スパイラルカイラリティーと結び付いた奇パリティの性質を示すという直接的な証拠を提示する。カイラリティーと極性秩序の間の対称性保護された結合によって、主に非相対論的なスピン分極の電気的制御が可能になる。今回の知見は、スピンスパイラルII型マルチフェロイック材料におけるp波磁性の観測を示しており、補償磁性体における非相対論的スピン分極の電圧によるスイッチングの開発につながる可能性がある。

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