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生化学:橋に似た形の脂質輸送タンパク質による脂質輸送の構造基盤

Nature 642, 8066 doi: 10.1038/s41586-025-08918-y

BLTP(bridge-like lipid-transport protein)タンパク質は、進化的に保存されているタンパク質のファミリーで、膜接触部位に局在しており、供給側の膜(典型的なものは小胞体)から受容側の膜(細胞膜や小器官膜)への脂質の大量輸送を仲介すると考えられている。BLTPは細胞のさまざまな機能に極めて重要だが、その構造や組成、脂質輸送機構はほとんど明らかになっていない。今回我々は、トランスジェニック線虫(Caenorhabditis elegans)から単離した天然のLPD-3というBLTP複合体のサブユニット構成とクライオ電子顕微鏡構造を明らかにした。LPD-3は、長く延びた桿状のトンネルの形に折りたたまれている。トンネル内壁の片側にはイオン化可能な残基が並んでおり、その働きによってトンネル内部には脂質分子が整然と詰め込まれている。LPD-3は、性質がこれまで知られていなかった2種類のタンパク質(一方は我々がSpigotと命名したが、もう一方はまだ名前がない)と複合体を形成している。Spigotは、脂質がトンネル内に入る部位と想定されているLPD-3のN末端に結合して、BLTPの機能に保存された役割を果たしていることが、複数のモデル系での実験によって示された。LPD-3複合体についての我々の構造データによって、タンパク質と脂質の相互作用が明らかになり、天然のLPD-3複合体が大量の脂質輸送を仲介する仕組みのモデルが示唆され、BLTPの作用機構研究の基盤が整った。

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